かみ合わせの重要性
かみ合わせ、つまり歯の咬み合わせは、口腔健康だけでなく全身の健康にも大きな影響を与えます。不正なかみ合わせは、顎関節症や頭痛、首や肩の痛みなど様々な身体的不調の原因となることがあります。また、かみ合わせは咀嚼機能に直接関わり、栄養摂取や消化にも影響を及ぼします。
ナソロジーとは
ナソロジーとは、ナソ=頭蓋、ロジー=生理学のことで、頭蓋領域の生理学を意味し、口腔領域の機能である呼吸と摂食、嚥下、咀嚼などの関係を研究する分野です。特に、鼻呼吸が困難な場合に口呼吸に頼ることで生じる口腔内の変化や、それに伴い全身への悪影響を及ぼします。口呼吸と鼻呼吸では体に及ぼす影響はかなり異なり、鼻を通しての呼吸は、外からの空気を体内に取り入れる際に、酸素に適切に加湿・温め・浄化する役割を持ちますが、口呼吸にはこの様な役割が備わっていません。鼻呼吸は健康な呼吸を保つ重要な役割を担っています。
呼吸とかみ合わせの関連
口呼吸は、長期にわたると顔貌やかみ合わせに影響を及ぼすことが知られています。特に子どもの成長期においては、口呼吸が続くと上顎の発達が阻害され、不正咬合の原因となることがあります。また、大人においても、口呼吸は顎関節の位置に影響を与え、かみ合わせの問題を引き起こす可能性があります。この理由は、口呼吸の場合には頭が前傾姿勢を取らないと、呼吸がしづらい為口呼吸の人の取る姿勢は前傾姿勢です。呼吸時に働く筋肉も異なる為、呼吸筋の筋肉の種類と発育も異なります。また、口も開いた状態になる為、口輪筋(お口の周りの筋肉)も発育しにくく、上の前歯が出っ歯になる、開口(オープンバイト)と言って、上下の前歯同士が開いた状態になるといった不正咬合になる可能性があります。
口腔機能面からの筋肉のトレーニングや歯並びの改善
主に早い段階での成長期の治療の一環として、この様な機能面の改善を目的とした口腔周囲の筋肉トレーニングを行うことで、鼻呼吸を促進し、歯並び、かみ合わせの悪化を最小限に減らす、顎機能の改善を目的とした歯列の矯正治療などが含まれます。これらの治療は、かみ合わせの改善だけでなく、全身の健康維持にも寄与します。
予防と生活習慣の改善
かみ合わせの問題や口呼吸の予防には、日常生活における習慣の見直しが重要です。特に子どもの場合は、早期に鼻呼吸を促すことで、顔貌やかみ合わせの問題を未然に防ぐことができます。また、大人においても不正咬合がある場合には、入れ歯や被せものの治療や歯並びの矯正治療などにより、適切なかみ合わせに改善する事でこの様な機能面の向上に繋がり、全身的な健康状態が向上します。。
かみ合わせとナソロジーの関係は、口腔健康だけでなく全身の健康にも密接に関わっています。日々の生活の中で鼻呼吸を意識し、適切な口腔ケアを行うことで、より健康な生活を送ることができるでしょう。常に花が詰まって鼻呼吸がしづらい場合でも、鼻に問題がなければ、お口に問題がある可能性もあります。この様な症状がある方は、是非一度ご相談ください。