
小児の歯の治療
小児の治療は年齢によって、治療出来る範囲が異なります。
〈0−3歳の小児治療〉
ブクブク、ぺ…うがいができないこの時期では大人と同じ様な治療は、かなり難しいです。
歯が虫歯になってしまった場合でも、虫歯の進行が進みにくくなるような予防的処置を中心とした治療を行っています。
まずは、3歳くらいになり、うがいができる様になったら、虫歯が無くても定期的に検診を受けて、虫歯の予防と歯並びのチェックを受ける様にして下さい。
虫歯が出来てから歯医者へ通う様になると、子供にも治療への恐怖心がある為、この時期に歯医者で怖い思いをした子供は歯科に対するトラウマが大人になっても消えずに、その後恐怖心で歯が悪くなっても受診できなくなる人もいるくらいです。
この様なトラウマを作らない為には、小さい頃から予防で歯医者へ定期的に来る習慣づけと、治療に対する恐怖心を植え付けない事が重要になります。是非、4−6ヶ月に1度の歯の検診で歯医者に慣れる様にしましょう!
ー赤ちゃんから3歳までは虫歯の要注意時期です
乳歯は生後6ヶ月頃、下の前歯から生え始め、3歳半頃に全ての乳歯が生え揃います。生まれたての赤ちゃんの口の中には細菌は殆どいません。成長と共に徐々にお口の中の細菌の種類が増えてくるのですが、この時の感染経路は家族間感染が殆どです。その為、ご両親に虫歯が多い、歯磨きを毎食後にしっかりしていない場合は、お子様のお口の中の細菌が早期に増えやすく、要注意です。口の中の細菌の種類が元々少ない3歳より前に虫歯が出来ると虫歯菌の天敵が少ない為、増殖力の旺盛な虫歯菌が急激に増えて、虫歯が広範囲に広がってきます。その為、3歳より前に虫歯を作らない様に日々の歯磨きを頑張ってください。
とは言え、子供は言う事を聞いてくれません。歯磨きをしようとしても、歯ブラシを噛んで遊んでしまい、磨かない…このようなお悩みも多い様です。
子供は褒められるのが大好き、特にお母さんに褒められたいんです、そして遊んで欲しいんです。なので、日頃から子供と遊んであげる、歯磨きに協力してくれたら褒める、言う事を聞いてくれなかったら困る事を子供に説明してあげる…といったコミュニケーションを取りながら上手く歯磨き習慣を身につけましょう。
〈3歳ー小学生の小児治療〉
ー乳歯列期の虫歯治療

湘南歯科医院では初めて来た子供との信頼関係を築く事から始めます。
子供だからといって、嫌がる事を無理やりしてもトラウマになるだけで、治療に対する恐怖心が出来てしまいますので、先ずは場所慣れ、先生慣れ…からスタートします。
虫歯に対する処置として、乳歯に関してはフッ素を中心とした虫歯の予防処置を中心として行い、子供にとって歯医者が怖くない治療を行っています。その代わり、極力、歯を削るなどの怖い治療を行わず、虫歯がそれ以上広がらない処置を行っているので、この様な処置の場合、数ヶ月毎に虫歯のチェックを継続していく事が必要となります。乳歯期の治療目標は、永久歯に虫歯を移さない治療です。この様な治療ですと、最初嫌がっていた子供も徐々に安心して通院する様になり、治療を嫌がらなくなってきます。
〈小学校入学時ー小学校卒業くらいまでを対象とした小児の歯の矯正治療〉
ー乳歯列期・混合歯列期の歯並び治療
歯並びの本格的な治療ができる年齢は小学校入学時、6歳くらいがベストのタイミングです。それより小さいお子様の歯並びが気になる場合は、先ずはご相談ください。その状況によって、6歳まではどの様にした方が良いかなどをご説明しています。
顎の成長は思いの外、早い段階で成長のピークを迎えます。上顎骨は12−13歳くらいで成人の90%以上の成長が決定してしまいますし、下顎はその後16歳くらいで顎関節までが形成され、90%以上の成長が終わります。
最近では、上顎骨の成長量が足りない子がとても多く、出っ歯は下顎前突と思われがちですが、多くのケースでは上顎骨の成長が足りていない事が原因です。その為、上下顎の骨格的な大きさの違いを補正する治療では、小学校入学時のタイミングで始める事がベストとなります。
歯並びが気になる場合は、早めの相談をオススメしています。

最近は虫歯が多い子は減りましたが、歯並びが良くない子はとても多いです。歯並びの問題は現代病ともいえます。まず最初の成長段階として、生後すぐから1歳を過ぎるまでの間にどのくらいお口の筋肉が育ったかはとても重要で、この時期にミルクを飲む「嚥下:えんげ」と「鼻呼吸」の機能がしっかり獲得できたか否かがその後の成長に深く関わってきます。母乳で育ったのか、または人工乳で育ったのかによっても、お口の発育は全く異なる発育度合いとなります。また、使用している哺乳瓶の形状やいつ頃の時期に卒乳したのか。食べ物の嗜好、運動が好きで、よく走り回る子か、お家でゲームをしている時間が長い子なのか、就寝時間が長いか短いか…など色々な要素が複雑に影響します。
#年齢が小さい時期の子には、ドイツのヌークのおしゃぶりを使って、お口の周りの筋肉のトレーニングする場合もありますし、もう少し大きい子にはおしゃぶりに変わるマウスピース型の装置でトレーニングしていく方法を取ります。この方法を口腔育成といい、適切なお口周りの筋肉を鍛えたり、舌の位置を正しい位置になるようなトレーニングによって、正しい筋肉に成長すると、顎の骨もしっかり成長し、歯並びも良くなります。これは狭い花壇に花をギュウギュウに植えると花も隙間のあるところを見つけて芽を出すのと一緒で、顎の骨がしっかり成長しないと狭い顎の骨の中の隙間を見つけて歯が必死に出ようとするので、乱れた歯並びになるのと一緒です。
#6歳以降は、歯の矯正治療と共に口腔周囲筋のトレーニングを行う治療が必要となります。子供の時期の矯正はその成長と共にチェックしていく必要があるので、長い治療期間となります。その為、子供だけでは治療に途中で飽きてしまうので、ご家族の支えがとても重要になります。
ただ、治療の期間的には長くかかるのですが、大きなメリットとして成長時期を過ぎた大人になってから始める矯正治療では骨格の大きさまでは変えられないので、顎骨の成長が足りなまま大人になり上顎骨が小さいなどの場合は、外科手術で顎の骨の位置や大きさをコントロールする矯正治療となるケースでも、子供の時期の矯正治療では、骨格の成長を促して、大人になった時に手術をしなくて済む様に病状を軽減する効果があり、大人になった時にかみ合わせで困らない為の重要な治療といえます。
小児時期の矯正治療は、成長に伴って行う矯正治療なので、歯並びの小さいガタガタを修正する要素は少ないのですが、上下顎骨の適正な成長を促す役割として重要です。
歯の矯正治療の中には小臼歯抜歯をする矯正治療も多いのですが、当院の矯正治療では小臼歯は抜歯しません。理由は歯のかみ合わせ的には、犬歯や小臼歯は顎運動上とても重要な役割があり、小臼歯を抜歯することで将来的な顎関節症のリスクが上がることや、歯軋りをした時に大臼歯(奥歯)が強く摩擦するかみ合わせになり易いことが挙げられます。歯軋りした時に大臼歯が強く擦れるかみ合わせは、顎関節に負担が掛かるかみ合わせで、首や肩の筋肉の過緊張を引き起こしたり、大臼歯の耐久年数が下がるなどのデメリットが発現しやすいかみ合わせとなります。
*抜歯の必要性がある場合は、当院では智歯(親知らず)を優先して抜歯しています。親知らずは、生え方によっては顎関節症を引き起こす原因になる場合もあり、この様な場合は、親知らずを抜歯する事で顎関節症を誘発するリスクを軽減することもあります。







