かみ合わせの検査と診断は、歯科医師の専門的な知識が必要な検査で、お口の検査の内でも重要な検査の一つとなります。

かみ合わせに不具合があると、歯や顎の関節に関する症状だけでなく、全身の健康状態にも影響を及ぼす事も多いです。

咬み合わせ検査の意義

歯のかみ合わせが良いのか? 悪いのか? 理解しにくい理由として、見た目での判断が出来ない事にあります。虫歯は一眼で、歯が茶色くなってる、穴が開いた…と言った見た目に変化の出る疾患なので、時には患者さんが自分で気づくことも出来ます。しかし、かみ合わせの良し悪しは、歯を見てもよく分かりません。なぜかというと、歯の咬み合わせは機能的な疾患の為、歯並びをさっと見ただけでは判断が付きません。これは心臓の良し悪しが心臓の形だけで判断できないことと一緒です。その為、心臓の場合は心電図などでその動きの波形を検査して、その機能に問題がないかどうかを検査しますね。かみ合わせもこれと一緒で、咬み合わせ検査は上下顎の歯と歯のかみ合わせ、歯と顎関節、歯や顎関節、顎を動かすための筋肉の動き、バランスを評価する事で顎機能を行う上で問題がないかどうかを評価する事を目的としています。

咬み合わせの影響

咬み合わせに不具合があると、夜間に強い歯軋り(ブラキシズム)を起こす原因となる為、歯のすり減りや歯の位置が徐々に押し出される事で以前より歯並びが悪くなってきたり、歯や顎関節に強いストレスが掛かる為、歯周病の進行を早めたり、歯がグラグラする、顎が開きづらい、開く時に音が鳴るといった顎関節症を引き起こすと言った影響があります。

歯や顎関節にこれだけ強くストレスが掛かる事なので、上顎骨や下顎骨を動かす筋肉が繋がっている側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、後頚筋、僧帽筋、顎舌骨筋…数えられないくらい沢山の種類の筋肉が顎を動かす機能を担っていますが、これらの筋肉にも強いストレスが掛かる為、頭痛や肩こり、腰痛、ストレートネックの様な頭の前傾姿勢や姿勢の悪化など身体の広い範囲に影響を与える原因となります。