咬み合わせの検査と診断は、歯科医師の専門的な知識が必要な検査で、お口の検査の内でも重要な検査の一つとなります。かみ合わせに不具合があると、歯や顎の関節に関する症状だけでなく、全身の健康状態にも影響を及ぼす事も多いです。

姿勢

治療と姿勢の関係

右側の歯ばかりが強く当たるが左側の歯は当たらない、食べ物がうまく噛み砕けない、歯軋りが強くて歯が欠けてきているなど…かみ合わせに不具合がある場合、この様なかみ合わせの問題を改善する為に行う治療をかみ合わせ治療と言います。

かみ合わせは上下顎の歯と歯が真ん中でかみ合った時に、下顎骨にある左右の顎関節の位置も真ん中にあれば、ズレはないことになりますが、歯が噛み合った時に下顎の位置が左にズレる、前にズレる…の様に歯の噛み位置と骨格が閉じた位置にズレがある事で不具合が生じてきます。

成人の頭の重さは8kg前後と言われていますが、下顎の位置が左側にズレていれば、8kgもある頭の重心は左側に傾くことになり、この頭を支える首、肩、腰は重心を保つ為、常に傾いた頭の均衡を取りながら、歩いたり、立ったり、かがんだり…を日常生活において身体バランスを取っているのです。

その為、かみ合わせに不具合があることやバランスの悪化がある事で、首や背中、腰、膝などの筋肉や関節に負担をかけて、姿勢を悪かざせている事も多いです。

その他にも、左右の歯の高さが違っていると、こめかみ近くにある側頭筋が左右均等に働かない事で、過緊張となる、片側の側頭筋が過度に引っ張られる事で偏頭痛の症状を引き起こすこともあります。

上の前歯の方が前方に突出しているかみ合わせの人の場合は、舌癖がある人も多く、舌癖がある人は、姿勢が前傾になり頭が前に倒れる為、それを支える首や腰の負担が大きくなり、腰痛になる人も多いです。この様なタイプのかみ合わせの人は、夕方になると腰が辛くなるかもしれません。

この様にかみ合わせの問題と姿勢の悪化には関連性がある為、当院ではかみ合わせの治療を行う際に姿勢の改善とその為の筋肉のトレーニング方法を指導し、歯の治療中に同時に対処する事が重要だと考えています。

この2つは関連性が高い為、歯の治療だけを行っていくと、身体のバランスに変化がある為に、身体バランスも筋トレにより変えていかないと2つの間の連動がうまく機能しない為です。

かみ合わせの不具合は単なる歯だけの問題だと思われがちなのですが、実際には全身の健康にも大きく影響を及ぼす事より、かみ合わせ治療を通じて患者の歯や顎の働きを改善することで、全身のバランスの改善につながり、しんどい身体から楽に保てる身体に変化します。

バランスの良いかみ合わせと重心の取れた姿勢は長期間、楽に日常生活を送るためには欠かせない要素だと思います。