かみ合わせとめまいの関連性について

頭痛

かみ合わせとめまい

歯のかみ合わせに不具合があると、めまいの原因になる場合がある事をご存知ですか?

全てのめまいの原因が歯からくるものではありませんが、かみ合わせの不具合から引き起こされるめまいに関しては、かみ合わせのバランスが改善する事により、めまいの症状が軽減します。

歯のかみ合わせとは…

上下の歯と歯の接触状態を指す言葉です。正しい咬み合わせとは、上下の歯が咬みあった時に、左右の顎関節も真ん中の位置にある事を示します。つまり、歯のかみ合う位置と骨格(顎関節)の位置の両方が合ってれば、かみ合わせにズレはない=正しい咬み合わせとなり、この両者の位置にズレがある=かみ合わせの不具合に繋がります。

両者にズレがある人は顔を正面から見ると、下顎の真ん中(オトガイ)が左右のどちらかにズレていて、お顔が曲がった感じになっています。

かみ合わせの問題が引き起こす症状

正しい咬み合わせだと、顎運動がスムーズに出来るので、喋る、食べる、呼吸する…といった顎機能の向上に繋がり、お顔の左右バランスや、お口の開閉も真っ直ぐにスムーズに出来る様に保つといった役割があります。

これと反対に、歯並びが左右対称ではなく重なって生えている(叢生)、高さが合わない被せものをつけている、歯が抜けたままになっている…といった事があると、かみ合わせが正常な状態を保てず、問題を引き起こします。

かみ合わせの不具合が引き起こす症状には、口が開きにくくなる、口を開く時に顎で音が鳴る、開く時に顎が痛い、口の周りの筋肉が張る、めまい…さまざまな症状が発現します。

かみ合わせと平衡感覚の関係性

顎関節は耳のすぐ手前にある為、身体の平衡感覚は内耳にある三半規管と耳石器が保つ働きをしています。咬み合わせに不具合があると、顎関節の動きは不安定で悪くなります、顎関節症の症状が出るのはこの影響です。

この様な状態になると、耳の穴のすぐ手前にある顎関節は内耳と隣接する位置にある為、内耳を顎関節が圧迫すると平衡感覚に影響を及ぼす可能性が生じます。

顎関節症とめまい・偏頭痛の関係性

顎関節症を発症すると、口を開く時に口が開きにくくなる、口を開く時に顎が痛くなる、口を開く時に顎で音が鳴る…といった症状が出ます。これは、顎関節の骨の上には関節円板というお皿の様な軟骨が乗っていて、この軟骨は関節がスムーズに動く様にする潤滑剤の様な役割をしているのですが、かみ合わせに不具合が生じると、この軟骨(関節円板)が外れたり、穴が開いたりする為、顎関節の動きに支障が出てきます。

顎関節は耳のすぐ手前にある為、顎関節の動きが不安定になると、内耳が圧迫されたりする事で平衡感覚に影響を及ぼしたり、側頭筋や後頚筋、僧帽筋、胸鎖乳突筋などは口を動かす時に働く筋肉ですが、かみ合わせに不具合が発生すると、これらの筋肉が必要以上に引っ張られたり、縮められたり、筋肉の過緊張が生じる為、側頭筋に過緊張が生じるとこめかみに痛みが生ずる事も起こり、偏頭痛の原因にも繋がってきます。

顎関節症から起因するこの様な症状をお持ちの方は、お口周りの筋肉の過緊張が常にある為、頭が前傾し猫背の姿勢になっている、夕方くらいになると腰が張って痛くなる、腰がしんどい、首、肩が極度に張る…といった特徴がありますので、この様な症状に当てはまる場合はかみ合わせの検査を受診する事をお薦め致します。

当院では、この様な症状がある方には、かみ合わせの検査を行っていますが、かみ合わせに特に問題がない場合は、医科へも並行して受診する事をお薦めしています。

この中には医科と歯科的な問題の複合的な要素から成るケースも多く、その診断は複雑で難しいです。

かみ合わせ以外の原因に関しては、耳鼻咽喉科、頭痛外来、神経内科など医科での検査が必要となります。

めまいが起こる原因は一つではない為、単一の原因だけを検査するより、広い範囲での疾患が起因している可能性を考慮し、受診する事をお薦め致します。