顎関節症の治療について

顎関節症を引き起こす原因は決して1つではありません。いくつかの要因が合わさって発症するケースがとても多いのです。

顎関節症を治すには、まず思い当たる要因を思い返して、原因を解消することが必要です。

気になる場合は、1度歯科医院でチェックしてもらいましょう。

その際は、顎関節症や咬み合わせを専門に診療している歯科医院を受診するのがよいです。

当院では、お口が開きにくい症状も、 歯のかみ合わせの治療での改善を行っています。外科処置が必要な場合はほとんどありません。

顎関節症で多い症状は 顎関節症セルフチェック

・顎とその周囲の痛み
・口を開いたり閉じたりするときに顎から音が鳴る
・口が開きにくい、開かない    

この3症状です。

~やってみよう!!セルフチェック~

セルフチェック

この中の症状で、ひとつでも当てはまることがあれば、顎関節症である可能性が高いです。
顎関節症は様々な症状として現れるため、顎以外に症状が現れる事も多々あります。

顎関節症の多くの場合、原因はかみ合わせのバランスの悪化です。それ以外の原因に、関節の変形などがあり、その場合治りにくいですが、治りにくい顎関節症は全体の4%にすぎません。

そのため、ほとんどの場合は、かみ合わせを改善する治療によって、上記の症状の改善が見込めます。

歯のかみ合わせと顎関節症の関係

なぜ、顎関節症の原因が歯のかみ合わせと関係があるかというと…

上の歯は上顎の骨(上顎骨)に植っていて、下の歯は下顎の骨(下顎骨)に植っています。食べ物を噛んだり、しゃべったりする時には、下顎骨の左右の先端についている顎関節が動く事で、歯が前後左右に動かすことが出来ます。

左右の顎関節がどの様な動きをするかによって歯の動きが決まってきます。つまり、歯のかみ合わせとは、顎を動かす為の機能(顎機能)の事を示していています。

歯のかみ合わせが良いとか、悪いという風に表現しますが、上下の前歯と前歯の動きが顎の動きのハンドルの役目をして、上下の奥歯と奥歯同士の支え合いが歯の高さを維持する事で、適正な顎運動が出来ます。適正な顎運動ができる人をかみ合わせが良いといい、うまく顎運動が出来ない人をかみ合わせが悪いと表現します。

この様に「かみ合わせ」は機能を示すものなので、心臓の良し悪しを診る時に心臓だけ診ていてもその良し悪しは判らないので、心臓の働き(動き)を見るのに心電図でその波形を見るのと一緒で、かみ合わせも歯並びが真っ直ぐだとかという見た目でその顎機能が良いかどうかは診断できません。

その為、顎機能の検査には

・レントゲン検査で左右の顎関節の位置のズレを確認する

・歯の模型を咬合器(顎の動きを再現できる機器)に付着して行う、かみ合わせ検査

・顎運動する時の左右の顎関節の動きを波形にして検査する顎機検査器(当院ではカボ社製、ディグマを使用)

と言った複数の検査結果により総合的な顎機能の診断を行なっています。

顎関節症の治療の流れ

顎関節症の治療

STEP1:問診

今までの状態や経過についてお聞きします。

STEP2:姿勢の観察

顎関節症は顎だけに症状があるとは限りません。首の張りや肩こり、腰の痛みから姿勢に影響を及ぼしますので姿勢を観察します。

STEP3:口腔内外の検査

顔や口の中を詳細に診査して原因を調べます。特にかみ合わせから生じる様々な症状をキャッチします。また、顎のゴリゴリという雑音やカックンという音を調べます。

STEP4:X線診断

歯並びや顎全体が診断できる断層写真撮影を行い、原因や治療方法を立案します。

STEP5:模型診断

歯並びやかみ合わせを診断するために顎の模型を作り、それを顎の動きを模似する精密な咬合器に付け咬合診断を行います。

STEP6:顎運動診断

顎の動きをコンピューターを使って分析し、治療前後を比較して治療効果を客観的に評価します。

STEP7:咬合調査

明らかにかみ合わせが原因であると判明した場合は、かみ合わせの調整を行います。そして顎のバランス調整を行う治療をします。

STEP8:スプリント療法

上下の歯の間に顎のリラックスを目的としたマウスピースのような装置をはめたり、顎の位置を治療するための装置をはめたりする療法です。

STEP9:薬物療法

顎の関節が痛かったり、筋肉が緊張している場合には、対症療法として薬物の投与を行い症状を軽減します。

STEP10:庭療法・ 理学療法

顎関節症には患者様にもご協力をお願いし治療に導きますので、ご家庭でもマッサージや局部の温熱療法を行い快方に導きます。