大人になってから歯並びが気になり、矯正治療をご検討の方も多くいらっしゃいます。

その際、仕事に影響が出ないかどうか、無理なく通院可能かどうかが気になるところです。

今回はこの点に関して幾つかのポイントを説明いたします。

仕事に影響の少ない成人矯正治療

当院では会社にお勤めしながら矯正治療を受けている方も多数いらっしゃいます。

この時に一番の問題点は、仕事に影響の少ない通院時間の確保かもしれません。

仕事に影響を及ぼしたくないから、歯並びは諦める…その様な考えもあるかもしれません。しかし、既に企業の採用試験の際でも、口元は見られており、面接などの際にきれいな歯並びなのか、そうでないのかで、他人が受ける印象はかなり違ってくるので、有利に働きます。

良い歯並びは健康的な印象につながる事からも、管理職の方をはじめとして、人に接するお仕事、営業職の方にも必要とされる様になっていますし、何より「かみ合わせ」が悪いとお口の基本的な機能である「呼吸」「喋る」「食べる」機能が低くなってしまうので、喉を痛めやすく風邪をひきやすい、胃腸の調子が悪い…と言った健康面に悪影響を起こします。

この様な「かみ合わせ」の不具合は現代病でもあり、成人の矯正治療のニーズは年々高まっています。

成人の矯正治療の通院サイクルは、概ね3週間に1度のペースで治療を進めていくのが一番効率の良いサイクルとなり、このサイクルで治療を進めるのが治療期間を短く出来る方法となります。しかし、治療初期の段階では痛みが出やすかったり、他の予定などとの兼ね合いで、治療サイクルが4週間に1度に延びてしまう事も治療をご検討の際には想定していただく必要があると思います。

ビジネスマン

 

治療期間を短縮するためのポイント

当院では歯列やかみ合わせの改善を目的とした成人矯正治療を行っています。

その為、治療のゴールはかみ合わせの改善が出来るまでとなります。患者様のお口の状況により個人差はありますが、治療期間は概ね2年半前後となります。

治療期間の短縮と治療の仕上がりの良し悪しには患者様の協力度が大きく影響します。例えば、治療期間中は3週間毎に通院していただければ順調に進む治療でも、通院サイクルが度々1ヶ月以上途切れてしまうと、その結果も治療の仕上がりも大きく変わってきます。1ヶ月以上治療途中のままにしていると、歯を動かす為のワイヤーの形も歪んだり、切れたりしますし、ブラケットなどの矯正器具が外れる、壊れる事も起きてきます。この様な状態が治療中に何度も起これば、歯が予定しない方向へ動いてしまう結果となり、この修正治療が別途必要になり、期間も延びる事になりますし、治療後の仕上がりにも悪影響が起きてきます。

治療中は歯を動かす治療である為、適切な歯磨き等のホームケアができていれば問題ありませんが、しっかりとしたホームケアが出来ていないと矯正期間中に歯の周りの骨吸収が進行し歯周病が進行した状態に進んでしまったり、矯正中の歯が虫歯になったりする事もありますので、ご注意ください。日頃のホームケアへの治療協力も、治療を適切に進めていく為の重要な要素となります。

治療中のほとんどの期間において、顎間ゴムという上下の歯と歯に引っ掛けて使用するゴムを使用して頂きます。顎間ゴムは、治療時にその都度、交換ペースやどの歯に使用するかをご説明しますので、その通りの使用を守ってください。

顎間ゴムの役割は、歯を動かす際に生じる反作用を抑える役割に使用するのが主な目的です。その為、使用を治療中の注意通りに行っていただけていない場合には、別の方向へ歯が動いてしまうなどの弊害が出る為、治療結果が悪くなる、これを修正する為の矯正治療が別途必要となる事になります。

この様に歯の矯正治療では、どの様な治療かを患者様自身にもご理解いただいた上で、治療に対するご協力によりその結果が変わってくる治療となります。ご自身の治療の仕上がりを良くする為にも、お口のケアと治療へのご協力頂ければより良い結果になると思います。

管理職の方の為の治療計画の工夫

管理職の方の場合は仕事に対する負担や時間の制限がある為、ご予約時間の確保が難しい場合もありますが、矯正治療の場合は3週間に一度の治療で進めるサイクルがある程度決まっていますので、早めに先々までの予約スケジュールを組んでいただく事で治療時間の確保をスムーズに行う工夫をしています。この様な場合には2−3ヶ月先までスケジュールを事前に組んでおくプランをお勧めしています。このプランの場合には、確実に事前に決めたご予約日にいらっしれる方に限らせていただいています。