矯正装置と口腔ケア

矯正治療中は歯にブラケットや顎間ゴム、ワイヤー…といった矯正装置が長期間付くので、普段より丁寧な口腔ケアが必要となります。

普段のご自身の歯磨きについてですが、1日3回食後は必ず歯磨きをして下さい。

口腔ケアグッズ

それ以外で、間食をする場合や1日を通して甘味料が入った特に注意すべき飲み物はスポーツドリンクの様な飲み物を摂取している場合、飴やグミをしょっちゅう食べている場合は、虫歯リスクがかなり高くなるので、矯正治療中は避けた方が良いと思います。

甘味料が入ってなかったとしても、紅茶やコーヒー、お茶をよく飲む方はステインという歯に付く着色により歯が茶色く汚れている場合が多く、この汚れの中には細菌も含まれるので歯のダメージに繋がります。

歯磨きに使用する歯ブラシは形の違う2本を使用して下さい。1本は歯の表側、ブラケットが付いている面を磨く歯ブラシ、もう1本はその他の面(歯の裏面とかみ合う面)を磨く歯ブラシとして使用して下さい。これら2本の歯ブラシの形状は、当院の矯正治療を受診の際に実際に説明します。当院院長も矯正治療の経験があるのですが、その時に色々な歯ブラシを試した結果、この方法が一番キレイにムラなく磨けるので、当院ではこの方法をお薦めしています。

磨き方ですが、ブラケットの付いてる面を磨く際には、ブラケットの下半分と上半分とを分けて、ブラケットを含めて磨く様にして下さい。その後、ブラシを変えて、歯の噛む面と裏面を上下顎分けて磨きます。歯ブラシだけですと、歯と歯の間の汚れが残ってしまうので、最後に歯間ブラシを使用して、歯と歯の全ての間に歯間ブラシを通して磨いて下さい。この際の歯間ブラシの大きさの選択は、少し抵抗感のある太さのブラシを使用して下さい。スカスカの細いブラシでは刷掃効果はほとんど出ませんので、ブラシの選択にはご注意ください。

 

定期的なメンテナンスの必要性

日常的な口腔ケアの他に、当院では矯正治療中の定期的な歯のメンテナンスも併せて行なっています。

矯正治療中は3週間に1度の来院が必要となり、この際に矯正装置の調整やワイヤー交換などを行いますが、歯科医師がワイヤーを修正している間に、定期的に歯科衛生士が歯磨きの状態をみて、虫歯のリスクが高くなっていないかを確認しています。また、必要に応じて、普段の簡単な歯のクリーニングでは取れない歯の汚れを、ジェットフローを使用しメンテナンスを行なっています。このジェットフローは、従来の器具を使用した歯石除去と違い、細かい粒子のパウダーを歯に吹き付けて行うクリーニングなので、器具だけでは届かない様な複雑な形の矯正装置を装着中の歯の隅々まで汚れをキレイに落とす事ができます。また、このクリーニングをした後に歯面にフッ素塗布も行い、虫歯リスクを最小限に抑えています。(この歯のクリーニングに関しては「歯を守る予防歯科」に内容掲載しています。)

以上、大人の矯正治療を受ける際の食事と口腔ケアのポイントをご紹介しました。

矯正治療は時間と治療への努力を必要とするのですが、正しい食事と口腔ケアの知識を身につけ、少し心掛けていただくことで、治療の効果が上がると思います。治療の初期は慣れないとは思いますが、徐々に治療に慣れてくると、歯並びも変化すると共に、治療の痛みも減り、歯磨き習慣も身についてくると思います。

先ずは是非、これれのポイントを出来るところから実践してみて下さい。