
#成長期と矯正効果
矯正治療の開始時期を決める上で、最も重視すべきなのは「成長のタイミング」です。特に、顎の成長が活発な時期を利用することで、より効果的な治療が可能になり、永久歯に生え替わりが始まる直前までに治療の相談をしておく事を強くお勧めいたします。歯の交換時期は個人差が大きく、性別によっても異なりますが、一般的に小学校入学時のタイミングが矯正治療の1期治療の好機とされています。中学、高校の間の矯正治療は、部活や習い事などもあり、治療継続には本人だけでなくご家族の協力も重要な要素となります。
#永久歯の生え替わり
永久歯の生え替わりのパターンを理解することは、治療開始時期を決める重要な要素です。前歯は6〜8歳頃、犬歯は9〜11歳頃に生え替わりが起こります。特に、第一大臼歯(6歳臼歯)の位置は、その後の歯並びに大きな影響を与えるため、この時期の専門的な評価が重要です。歯の生え替わりパターンに問題がある場合は、早めの介入が必要になることもあります。
#早期治療のメリット
早期治療の最大のメリットは、顎の成長つまり骨格の成長のコントロールをできる点にあります。例えば、上顎が狭い場合の拡大治療や、受け口の傾向がある場合の顎の成長誘導など、成長期だからこそ可能な治療があります。また、歯並びの問題による口呼吸や舌の位置異常などの機能的な問題も、早期に改善することで、正常な発育を促すことができます。
子供の時期の矯正治療では、1本1本のガタガタの歯並びを治す事に目的を置いている治療ではなく、大人になった時に顎の骨の手術が必要なほどのシビアな歯並びにならない為に主に顎の骨の大きさをいかに正常の範囲に成長させるかという成長期の骨格のコントロールとなります。これが、矯正治療の1期治療の概念となります。
その後、18-20歳以降である程度成長が終わった時期からの矯正治療を成人矯正といい、これを2期治療と言います。
#費用と治療期間
早期治療の場合、治療は通常2段階で行われます。第一段階では、顎の成長誘導や重要な永久歯の萌出スペースの確保を行います。これを1期治療と言います。
第二段階で詳細な歯並びの調整を行います。これを2期治療と言います。
治療は症例によって大きく異なるため、詳細な診断に基づいた治療計画の説明を受けることが重要となります。
矯正治療の費用は自費治療となります。治療前の検査費や基本治療費や治療時にかかる矯正管理料などがかかる費用となり、矯正治療をご希望の方には事前にどの程度費用が掛かるかをシュミレーションを元にご説明させて頂いています。
#1期治療の治療計画の立て方
効果的な治療計画を立てるためには、以下の要素を総合的に評価する必要があります:
・現在の歯並びや顎の状態
・今後の成長予測
・永久歯の萌出状況
・生活習慣や口腔機能の状態
・家庭での管理能力
これらの要素を考慮しながら、お子様一人一人に合わせた最適な治療計画を立てていきます。