テレスコープ義歯の原理
テレスコープ義歯は、一般的なバネを留め具にした保険治療の入れ歯とは全く違う固定力を持つ入れ歯です。クラスプの様なバネの留め具は一切使わず、残存歯に装着した内冠と、義歯に組み込まれた外冠が望遠鏡のようにぴったりはまり合う二重構造にする事により、口腔内に強固に固定される構造の特殊なタイプの義歯です。
名前の由来は「テレスコープ(望遠鏡)」のように、内冠と外冠がぴったり重なる構造から来ています。この構造により、義歯の安定性、機能性、審美性が大きく向上し、快適な日常生活を支えることができます。
【従来のクラスプ義歯との違い】
*最近流行しているノンクラスプデンチャーは、クラスプ部分が金属ではなく樹脂でできている義歯で、義歯の構造自体はクラスプ義歯と同じです。
その為、見た目はバネが見えずに良いのですが、その他の特徴はクラスプ義歯と同じになります。
【テレスコープ義歯の構造と原理】
1.内冠(インナークラウン)
- 残っている歯にしっかりと被せる金属の被せ物。
- 義歯の土台となる部分。
2.外冠(アウタークラウン)
- 義歯本体に組み込まれており、内冠にピッタリはまり込むように作られている。
- 紙コップを重ねるような原理で、ズレずに固定される。
3.内冠と外冠による強固な固定
- 内冠と外冠のフィット感が高く、これにより口腔内で強固な固定が得られる。
- 義歯を装着したときにガタつきが少なく、安定した装着感。
【メリット】
- しっかり噛める:義歯に動きが出にくい強固な作りだから、しっかり噛める。
- 話しやすい:義歯が安定しているため、声がこもりにくく、クリアな発音に。
- 見た目が自然:クラスプがないため審美的に優れる。
- 取り外し可能:歯磨きやメンテナンスがしやすい。
24時間はめたままの使用が可能:一般的な保険治療の義歯は、就寝時に外す必要がありますが、1日3回の歯磨きの時以外はずっと装着が可能です