症例8

治療前は、右上と左下にクラスプ(金属のバネ)入れ歯を使っていたのですが、食事の時に痛い訳ではないが、噛みにくくて、いつも途中で外して噛んでいたそうです。下の前歯も徐々に傾いてきて…とご相談にいらっしゃいました。

上下顎の歯の無い位置が上は右側、下は左側だと、上下の歯と歯が噛み合った時に歯のある位置がすれ違ってしまうので、上下の入れ歯がより食い込み合う噛み合わせになります。この様な噛み合わせの事を「すれ違い咬合」と言い、噛む時に上下の入れ歯が歯肉に食い込みやすい事で、入れ歯治療するのは難しいタイプのかみ合わせとなります。

この様な噛み合わせの人の場合、フレキシブルタイプの義歯(スマイルデンチャー、クラスプ義歯など)では、食い込み合う歯のかみ合わせを改善するのは難しいのですが、リジットタイプの義歯である「テレスコープ義歯」は義歯の中で唯一「すれ違い咬合」でも噛める様に治療する事が出来ます。

この方の場合は、上下顎共に奥歯を失っていた為、上顎は前歯を抜かした両側奥歯の入れ歯治療、下顎は前歯も悪くなっていたので、全体的な入れ歯治療を行いました。

写真左側が上顎のテレスコープ義歯、右側が下顎のテレスコープ義歯です。

治療後は見た目も良くなり、患者様は「噛めないって辛いですね…噛める様になってとても嬉しいです!」とおっしゃっていました。