不正咬合の種類と特徴

不正咬合には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。出っ歯(下顎後退、上顎前突)、受け口(下顎前突)、歯列狭窄、乱ぐい歯(叢生)、ディープバイトなどが挙げられます。その他、一見真っ直ぐでキレイな歯並びだったとしても不正咬合の場合があります。それは不正咬合が見た目だけの問題ではなく、咀嚼機能の低下や発音の問題、さらには顎関節症の原因となり得るといった機能的な問題を含んでいる側面があるからです。顎運動とは左右の顎関節を中心として顎を前後左右に動かす運動を指します。食べる、飲み込む、呼吸するといった顎機能全般は、この顎運動を通して行なわれています。不正咬合は、単に見た目の歯列がガタガタである事が問題なのではなく、顎運動が適切に行えないかみ合わせであることが原因で、お口の開閉時にカクカク音が鳴る、口が大きく開けられない、痛みがあるといった顎関節症状の発現や、食いしばりや強いブラキシズムが出る(歯軋り)といった顎機能的な問題に発展する。この様な事態を引き起こす可能性があるかみ合わせは全て不正咬合と言えます。単に見た目だけでは不正咬合の有無は判断できません。

矯正治療の目的と効果

矯正治療の主な目的は、左右の顎関節の動きに調和した歯並びとかみ合わせに改善することです。これにより、見た目に美しい笑顔と効率的な咀嚼機能が得られ、口腔内の健康が保たれます。また、正しいかみ合わせとは、歯列の動きが顎関節の動きと調和が取れている為、顎運動はスムーズとなります。調和の取れたバランスの良いかみ合わせである事は、長期的な口腔健康の保持に役立ちます。