矯正治療中の注意点

矯正治療の動的治療中は3週間に1度のペースでの来院が必要となります。矯正治療は歯にワイヤーを付けて弱い力でゆっくりと歯を移動させていく治療です。

その特性上、歯を動かす:動的治療中は歯が動く為、歯に噛む力が掛かる食事の時に歯周病の時の様な痛みを感じます。この治療に伴う痛みはずっと感じている痛みではありません。3週間に1度歯を動かす治療をしますが、その日から1週間くらいは食事の時に少し痛みを感じますが、その後痛みはなくなります。そして、また3週間後に歯を動かすと、その後の1週間くらいは噛む時に痛みを感じる…といった感じです。

特に最初の半年程度は、歯並びを大きく変える時期な事と、慣れない装置が歯に付く事で口の中が複雑になり痛みを感じやすい時期となりますので、もし、痛みが強い場合などには先生に相談して痛みの緩和をしつつ治療を継続していきましょう。

 

矯正治療中の食事の注意点

矯正治療中の食事は前述した様に、治療後1週間は硬い食べ物は避けるようにしてください。1週間を過ぎると歯の移動が落ち着くので、痛みが緩和して食べるのが楽になります。

治療中、特に歯を積極的に動かしている部分がある場合は、ブラケットの脱離や破損を避ける為、その部分では固い食べ物を噛むのを避けてください。

矯正治療は歯に付けているブラケットにワイヤーを固定して、歯を動かしていく治療です。ブラケットの脱離やワイヤーの断裂が度々起こる事で、治療期間が長引く、治療結果に悪影響が出るといった可能性もある為、ブラケットの脱離やワイヤーの損傷はなるべく避けたいものです。この様に装置の破損等が生じた場合にはその旨、先生に連絡して対処しましょう。

治療中の食事ですが、治療後1週間は噛む力が必要な食べ物は痛みを感じやすいので、煮込み料理や具沢山スープの様な柔らかめの食事がお薦めです。

2週目以降は痛みが緩和するので、ポークソテーの様な厚めの繊維っぽい肉料理はブラケット、ワイヤーに繊維が引っかかって食べにくいですが、挽肉を使ったハンバーグやしゃぶしゃぶの様な薄い肉料理が食べやすいです。ナッツ類もワイヤーに食い込むのでお薦めできません。また、治療初期は前歯で噛み切る事が難しいので、サンドウィッチやフランスパンは避けた方が良いでしょう。噛む際には前歯ではなく奥歯を使って食べるよう心がけて下さい。

健康的な食事の重要性

矯正治療中の食事の重要ポイント

矯正治療中は、ナッツ類やキャラメル、厚みのあるお肉の様な厚みがあり硬い食べ物の塊を一気に噛もうとすると、矯正装置に負担が大きく掛かるので、破損の原因となります。食事の際には食べ物を小さく切って、前歯で噛み切ることを避ける、ゆっくり奥歯で噛む様に心がけましょう。その為、食事はゆっくり時間をかけて噛む様にして下さい。

また、噛みにくくなり柔らかい食事になるため、栄養面に配慮し食事の内容にも気を配る様にして下さい。特に、カルシウムやビタミンDなどは歯と歯茎の健康を保つのに重要な栄養素ですし、その他、乳製品や魚、野菜などをバランスよく取る様にしましょう。

歯が動く時には、歯の移動方向の骨の変化が生じます。どの様な事が起こるかというと、破骨細胞が移動方向で邪魔になった骨を壊し、移動した部分に骨芽細胞が新しい骨を作る事で歯は移動する事が出来て、尚且つ歯の周りに骨が再生する新陳代謝が活発に行われます。その為、この様な体を構成する栄養素を食事でしっかり取り入れられているかどうかは、矯正治療で歯を移動する際の歯や歯周組織の健康を保つために重要な働きとなります。