ドラッグストアの歯磨き粉コーナーに並ぶ、数十種類もの製品。

なんとなく選んでいる、家族と同じものを使っている…

そんな方が多いのではないでしょうか。

歯磨き粉の選択も、あなたの口腔健康を大きく向上させられる重要な要素のひとつ、なんとなく選んでいるのは勿体ないです。

歯磨き粉が持つ本当の力

歯磨き粉は単なる「歯を磨くときに使う泡」ではありません。

含まれる成分によって、虫歯予防、歯周病対策、知覚過敏の改善など、明確な治療的効果を持っています。

虫歯予防に効果的なフッ素には、歯から失われたカルシウム分を取り戻してくれる役割があり、歯の表面を強化し、虫歯菌が作り出す酸から歯を守ります。

穴が開き始める前の初期虫歯であれば、フッ素の含有率が高い歯磨き粉の使用で、削って治すまでの虫歯に進行しない様に再石灰化させることが期待できます。日本国内では、1450ppmのフッ素濃度のものが高濃度のフッ素含有率となります。

歯周病に対しては、抗炎症成分や殺菌成分が効果を発揮します。

歯茎の腫れや出血を抑え、歯周病菌の増殖を防ぎます。

知覚過敏用の歯磨き粉には、細いルート状の構造をした象牙質の細かい穴を塞ぐ成分が配合されています。

継続使用することで、冷たいものがしみる症状を改善できます。

しかし、自分の口腔状態に合わない歯磨き粉を使い続けていると、期待する効果は得られません。

例えば、歯を白くしたい効果の歯磨き粉は、研磨剤の含有率が高いものや、歯のステイン除去成分に特化したものですが、この歯磨き粉は場合によっては知覚過敏の人には不向きといえます。

見過ごされる個人差という現実

虫歯になりやすい人、歯周病が進行している人、知覚過敏に悩む人。

口腔環境は一人ひとり異なります。

年齢によっても、必要なケアは変化します。

子供には適切な濃度のフッ素が配合された歯磨き粉が必要です。

高齢者では、唾液分泌の減少により虫歯リスクが高まるため、高濃度フッ素配合の製品が推奨されます。

歯茎が下がって象牙質が露出している場合は、知覚過敏対策と虫歯予防の両方が必要です。

ホワイトニング効果のある歯磨き粉には、研磨剤が多く含まれているものがあります。歯がしみる症状がある方は、知覚過敏を引き起こす可能性もありますので、使用は少し慎重に選択した方が良いかもしれません。

また、同じメーカーの歯磨き粉でも、市販の歯磨き粉と歯科医院専売の歯磨き粉では成分の濃度が異なる為、市販の歯磨き粉より薬効は高いです。

重度の歯周病や、虫歯リスクが高い方でより高い効果を期待する場合は、歯科医院専売の高機能歯磨き粉がお勧めです。

歯磨き指導の専門家による個別評価の価値

歯磨き指導の専門家でもある歯科医院では、あなたの口腔状態を詳しく評価できます。

虫歯のリスク、歯周病の進行度、知覚過敏の有無、歯の摩耗状態。

これらを総合的に判断し、歯磨き粉をはじめとした最適でより効果的なブラッシング製品をご提案しています。

ご希望により、唾液検査を行えば、虫歯菌の数や唾液の質まで分析できます。

その結果に基づいた、あなただけのホームケアプランを立てることができます。

市販品では手に入らない、高濃度フッ素配合の歯磨き粉や、特殊な成分を含む製品もあり、こうした製品を毎日使うことで予防効果は格段に高まります。

虫歯や歯周病が進行すると、治療に多くの時間と費用がかかりますし、虫歯で穴の空いた歯や歯周病で失われた歯の周りの骨を再生する事はできません。

適切な歯磨き粉の選択と使用法の習得は、そうした不可逆的な損失を防ぐ、最も確実な予防方法です。

効果を最大化する使い方

どんなに良い歯磨き粉も、正しく使わなければ効果は半減します。

多すぎて泡立ちすぎると、歯ブラシが当たってなくても、磨けた気になってしまい良くありません。

歯磨き粉は、歯ブラシの毛先の3分の1程度の量で十分です。

歯磨き粉を付けたら、すぐに磨き始めず、まず全体に行き渡らせます。

ブラッシングは最低6分間、丁寧に行いましょう。

「食事後すぐの歯磨きを推奨しない」考えもあるのですが、当院では食後は速やかに歯磨きすることを推奨しています。

何故、食後すぐが良くないとされる考えがあるかというと、食事の後はお口の中が強い酸性になり、その時に歯磨きをすると、歯に傷がつき易いからと言うのがその理由です。

しかし、当院では食後にお口が強い酸性状態にさらされているのであれば、早く歯磨きをすれば、お口の中は早く中性に戻るので、長い時間磨かずに強い酸性にさらされているより予防効果は高い事と、食後すぐに磨いた方が磨き忘れる事がないので予防効果は高くなるからです。

夜間は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなりますので、夕食後の歯磨きは特に重要です。

寝る前にしっかり口腔内を清潔にし、フッ素を歯に浸透させることで、虫歯予防効果は高まります。

口腔環境を守る賢明な選択

自分の口腔状態に合った製品を選び、正しく使用することで、虫歯や歯周病の予防効果を上手に高められます。

歯科医院での定期検診時に、あなたに最適な歯磨き粉や歯ブラシなどブラッシング効果がより上がる製品について相談してみましょう。

患者様によっては、握力が弱く歯ブラシが当たっていなかったり、手が動きづらく歯ブラシが当たっていない事などもあり、この様な場合は、まずその方に合った歯磨き道具やブラッシング方法から検討した方が良いケースなどもあります。

この様に口腔内環境を上げるために有効な方法は個人差がとても大きい為、歯磨き指導の専門家の評価に基づいた選択が、より簡単に、予防効果を最大化します。

適切なホームケアを継続して行う事は、一番簡単な予防方法であり、その効果は生涯にわたってあなたの歯の健康と生活の質を支え続けます。

今日からの正しい歯磨き習慣が、明日の健康な笑顔を作ります。