歯科の学術大会で発表しました 2
12月13日、飯田橋の日本歯科大学の九段ホールにて「尋常性天疱瘡と顎関節症を併発した患者への治療の一例」という演題で講演発表をしました。
尋常性天疱瘡という病気はアレルギー性の粘膜疾患で、お口の中の粘膜が赤くただれて、歯肉から常にジワッと出血しているような感じになる病気です。
以前、私が治療をした患者様ですが、この方は尋常性天疱瘡で病院へ入院中に入れ歯が使えずに何年も過ごしていたため、顎関節症にもなってしまい、初めて当院へいらした時には、歯ブラシがお口の中に入らないほどしか口は開かなくなっていて、なおかつ、お口の中の歯肉も全体的に赤くただれて、歯磨きするとジワッと粘膜から出血するような大変な状態でした。
そして、お口も開かず、入れ歯も入れられない状態でしたので、鼻からの経管栄養でした。こんな状態で、病院を退院しても、お仕事の復帰も、日常生活も送るのは困難です。
この患者様を当院で治療した方法について講演しました。
時間はかかりましたが、アレルギーが改善するような生活改善方法からスタートして、顎関節症の開口障害の改善の治療を行い、現在は上下共に数本の歯を残して、よく噛める入れ歯を入れて、お口も開くようになり、歯肉も綺麗にツルッツルに治り、もちろん経管栄養は外して、なんでも普通に食べれるように治りました。握り寿司も食べれるそうです。
このような患者様の治療例は、ほとんどありません。
経管栄養を外せないまま、食べられないまま治らない方も実際には多いです。
一人でも多くのこのような状態で困っている患者様に治ることを知ってもらいたいと思います。でも、治療としては、知識も技術もすっごく必要な難しい治療です。