親知らずは、多くの人にとって抜歯が必要な場合が多い歯です。親知らずが骨に癒着している場合、抜歯が非常に困難になります。親知らずの萌出方向や年齢によってもこの癒着の状態が変わるため、若い世代と高齢者で抜歯に伴うリスクが異なるのです。

また、顎骨内に埋伏した親知らずの場合、歯冠部が骨癒着しているのか、歯根部まで骨癒着しているのかによって、抜歯に伴うリスクは異なります。

 骨癒着と年齢の関係

骨癒着と年齢の関係に関して、親知らずの骨癒着が発生するリスクは30代以降で、その後年齢が上がるに伴い高くなる傾向があります。親知らずが生えてくるスペースが不十分で歯が骨内に埋伏している場合、周囲の骨と結びつきやすくなります。特に、歯の生えている方向や骨の発達具合によって、癒着が生じやすくなります。

また、年齢が上がるにつれて、埋伏歯の周囲骨がより強固に覆う様になり、癒着のリスクは更に高くなります。40代以降では骨の代謝が減少し、親知らずがより強固に骨に癒着することが多くなります。このため抜歯がより困難になり、一般的に親知らずの抜歯が大変なイメージがある理由の一つでもあります。

 親知らずの症状

親知らずの症状としては、痛みや腫れ、噛み合わせの不具合が一般的です。最近では顎の骨格の小さい人も多く、親知らずまで他の歯と同様に真っ直ぐに生えるスペースがなく、顎骨内に埋伏していたり、横を向いて生えたりしています。

親知らずが横に生えていると、それより前方に生えている歯は前に押されるので歯列が徐々にガタガタになりかみ合わせに影響を及ぼしたり、歯ブラシが入りにくい部分があると炎症を引き起こすことがあります。

特に、歯茎が腫れる、食事中に痛みを感じるなどの場合は、日常生活に支障をきたすことがあります。

親知らずが真横に生えている場合や、完全に埋まっている場合は、周囲の神経や血管に歯根が近接しているケースも多く、この様な歯根に骨癒着がある場合には、抜歯が非常に困難になり、問題なく抜歯が出来たとしても、抜歯後に数ヶ月程度の間、神経痛やしびれを感じることもあります。

 骨癒着の治療法

骨癒着の治療は、癒着の程度や症状によって異なりますが、一般的には以下のような方法があります。

*骨癒着歯の抜歯:親知らずの生え方によっては、骨癒着している場合でも親知らずの抜歯が必要なケースがあります。この様な場合の外科手術では、麻酔を施し、周囲の組織に影響を与えないように注意しながら、癒着した親知らずを除去します。この際、周囲の骨や神経にダメージを与えないよう、慎重に行われます。

 

*抗生物質の処方: 感染症が伴う場合、抗生物質が処方されます。これにより、一時的に炎症や感染を抑え、症状の軽減を図ります。抜歯が必要な場合は症状の軽減を図った後、侵襲を最小限に抑え抜歯を行います。

 

*術後のケア: 骨癒着している親知らずを抜歯した場合、手術後は術後症状を確認するなどのフォローアップが必要です。もし術後の痛みや腫れがある場合には、これを軽減するためのケアが求められます。また抜歯後、順調に創部が回復する為には適切な口腔ケアを行うことが大切です。

 親知らずの抜歯の重要性

噛み合わせを乱す可能性のある親知らずの抜歯は、口腔内の健康を保つために重要です。

この場合、親知らず抜歯を行うことで、歯並びや噛み合わせを整え、将来的なトラブルを防ぐことができます。また、親知らずが悪化する前に対処することで、手術のリスクを軽減することも可能です。

特に、若い世代では親知らずの抜歯が比較的容易であるため、早期の段階での診断と治療を受けることが推奨されます。年齢が上がるにつれて癒着が進む可能性があるため、定期的な歯科検診を受け、親知らずの状態をチェックすることが重要です。

まとめ

親知らずの骨癒着は、年齢や歯の健康状態によってさまざまな影響を及ぼすことがあります。症状や状態に応じた適切な診断と治療を受けることで、健康的な口腔環境を維持することができます。歯科医師としては、患者の皆さんが安心して治療を受けられるよう、最適なサポートを提供していきたいと考えています。定期的な検診を通じて、親知らずや口腔内の健康を守りましょう。