タグ : 顎関節症
European Prosthodontics Association/ ヨーロッパ補綴学会で、学術発表をしてきました。
今年のEuropean Prosthodontic Association(EPA)の学会は、ドイツのHalleのMartin-Luther-Universityで行われました。さすが、ヨーロッパは歴史が深く、マルティン・ルター…歴史に疎い私でも知っているような有名な思想家の名前が付いた大学なんて!と思いつつ、行ってきました。
Halleはベルリンから、高速鉄道で1時間半くらいの場所にある1200年以上前の佇まいを残す町並みだそうです。私が発表した建物の入り口です。普段は劇場として使われている様です。入り口に劇の予告か何かのポスターが貼ってありました。

中の会場は、こんな感じの雰囲気で、自分の発表内容をポスターサイズに印刷したものを掲示します。今回、私はうちの病院でやっているテレスコープ義歯と顎関節症の治療の内容のポスターを作り、発表しました。
途中、1時間質問などを受ける時間があります。その時はホールにギュウギュウに人が集まってきて、いろんな方々から質問されたり、コメントをもらったりしました。私の発表に興味を持ってくれた方がジーーーッと文章を読みこんで、質問していってくれたり、一人の方は「この発表はあなたがやったの?」と英語で聞かれたので、「Yes」と答えたら、「スゴイ…」と日本語で言って去って行ったり…普段、歯科医師として仕事をしている私にとって、同じ分野の色々な人から、このような意見をもらったり出来る機会はとても貴重で、大事なことです。

学会は3日間ありますが、初日にウエルカムパーティーがあり、廊下のような空間に学会の参加者がギュウギュウになって、色々な人と話をします。こういうところに来ているう方々は、結構フランクに話しかけてくれるのですが、よくよく話を聞くと〇〇大学の教授だったり…すごい人が多く、普段聞けないような色々な話が聞けて楽しい会でした。

発表の前後には、幾つかの講堂で様々な講義がやっていて、アメリカの医療とはまた少し違うヨーロッパの医療をみることができました。やはり、世界はかなり進んでいて日本も進んでいるように見えても、まだまだ世界はその先へ進んでいて…色々なものを見たり、自分のやっている事に意見をもらったり、そのような事をしながら、医者として成長できればいいな…と感じた今回の学会でした。
顎咬合学会で講演発表しました
6月11−12日 東京駅近くの有楽町国際フォーラムで顎咬合学会がありました。2日間通して今回も5000人弱の歯科関係者が参加したそうです。
この学会は、顎(あご)=顎関節や咬合(かみ合わせ)に関することがテーマの学会です。

私は12日に「顎関節症を有するフレイル患者に対する咬合機能回復」の演題で講演発表をしてきました。
私はあがり症なので、発表の時はいつも緊張してしまい、会場にいる人の方なんて一切見れません。なので、今回も見に来てくれている人の方は終わってから、ちょこっと顔を上げたくらいです。これだと、聞いてくれた人達がどう思っているかが見られないのが残念なところなのですが・・・。
発表後に座長の先生から「すばらしい発表でした。」と言ってもらって、すごく嬉しかったです。
ところで、「フレイル/Frailty」ってご存知ですか?

ご高齢の方や病気の方が筋力や食欲が低下することで、全身的な虚弱になることを意味します。
歯が悪かったり、合わない入れ歯を入れている事で、食べる機能が低下して、タンパク質やエナルギー不足に陥ります。すると、ますます食べる気力がなくなり、食欲低下になり、全身の筋力が低下して衰弱して行ってしまいます。
私は口から食べられず経鼻そう管をしている方の治療を経験して、口から食べることの重要性を大きく感じました。
また、しっかり噛めるテレスコープタイプの入れ歯の治療は、フレイルからの脱却につながることを経験しました。
歯科の学術大会で発表しました 2
12月13日、飯田橋の日本歯科大学の九段ホールにて「尋常性天疱瘡と顎関節症を併発した患者への治療の一例」という演題で講演発表をしました。
尋常性天疱瘡という病気はアレルギー性の粘膜疾患で、お口の中の粘膜が赤くただれて、歯肉から常にジワッと出血しているような感じになる病気です。
以前、私が治療をした患者様ですが、この方は尋常性天疱瘡で病院へ入院中に入れ歯が使えずに何年も過ごしていたため、顎関節症にもなってしまい、初めて当院へいらした時には、歯ブラシがお口の中に入らないほどしか口は開かなくなっていて、なおかつ、お口の中の歯肉も全体的に赤くただれて、歯磨きするとジワッと粘膜から出血するような大変な状態でした。
そして、お口も開かず、入れ歯も入れられない状態でしたので、鼻からの経管栄養でした。こんな状態で、病院を退院しても、お仕事の復帰も、日常生活も送るのは困難です。
この患者様を当院で治療した方法について講演しました。
時間はかかりましたが、アレルギーが改善するような生活改善方法からスタートして、顎関節症の開口障害の改善の治療を行い、現在は上下共に数本の歯を残して、よく噛める入れ歯を入れて、お口も開くようになり、歯肉も綺麗にツルッツルに治り、もちろん経管栄養は外して、なんでも普通に食べれるように治りました。握り寿司も食べれるそうです。
このような患者様の治療例は、ほとんどありません。
経管栄養を外せないまま、食べられないまま治らない方も実際には多いです。
一人でも多くのこのような状態で困っている患者様に治ることを知ってもらいたいと思います。でも、治療としては、知識も技術もすっごく必要な難しい治療です。
かみ合わせの検査と治療
虫歯じゃないのに歯がしみる、痛い・・・原因不明のこれらの症状の多くは、かみ合せの不具合からきている可能性が高いです。その他、左右の歯の高さが違う、奥歯がうまく咬み合わない、顎が痛い、急に口が開きにくくなった、歯ぎしりがある...などの症状がかみ合せが合っていない事からくる症状です。
これらの症状の原因は、かみ合せの検査をすることで分かります。
虫歯の検査の場合は、お口の中を視れば、歯の色が茶色く変化したり、穴が開いたりと歯を見れば変化が判るので、検査は比較的簡単ですが、咬み合わせの不具合を検査する場合は、歯の模型による咬み合わせ検査やX線検査の他、必要に応じて顎機能検査などを行って診断します。歯のかみ合せは、直接お口の中で歯を見ても悪い部分が分からないので、歯の模型を取って、顎の動きを再現できる咬合器と言う器械で顎の動きを再現しながら分析する難しい検査です。
どういう時にこの検査が必要か?
- かみ合わせに違和感を感じる。
- 歯が悪くなってないのに、虫歯のような痛みがある。歯を治しても治しても、すぐ悪化する。
- お口全体の治療(全顎治療)が必要な場合、治療前に行う検査です。
- 入れ歯の治療が必要な場合、治療前に行う検査です。
上顎、下顎の骨格の中心位置(顎の関節が真ん中の位置)と上下の歯の位置がぴったり合っているのか、ずれているのか、顎を前後左右に動かした時に歯が部分的に強くぶつかっているところがないか(干渉が無いか)など、専門的に詳しく模型の分析などします。
その結果を元に診断し、治療に必要な治療計画を立てます。
そして、模型を使って、どのような治療が必要かを治療前にご説明しています。
この検査することによって、最終的な治療のゴール、治療期間、治療費用等が治療前に知る事が出来るので、とても効率的で安心な治療を受ける事が出来ます。
実は、咬み合わせの分野はとても治療が難しいため、精密な事前検査はとても重要で、検査なしでは治療はうまくいきませんし、単なる虫歯の治療の様に簡単には治りません。当院では、より長く、より快適に歯が使っていただけるように!とこのような検査を必要に応じて行っています。
検査は2回かかります。
一回目に、歯列模型を作るための型取りをしたり、データを取集します。
また、治療に際しての患者様のご希望等もお聞きします。
治療時間は、30-60分かかります。
二回目に、検査結果をご説明します。
現在のお口の中の問題点、治療方法、治療期間、治療費用をご説明して、治療計画を立てます。
治療時間は、30-60分かかります。
模型による咬み合わせの検査は、自費診療にて承っています。
精密な検査と丁寧な治療で、「生涯、自分の歯で過ごしましょう!」
まずはご相談から、お電話にてご連絡ください。
TEL:0467-86-1226
ベストの治療を行うための高品質な器具、院内設備について
ドイツ製の器機を使用
大切な患者様の治療に使うものなので、医療先進国ドイツ国内の多くの大学病院で採用されているものと同じドイツ製器機を使用し、診療の安全性を高め、診療精度を上げています。 例えば…
- ユニット(診療台)は削っても歯がやけどや感染をしない安全な器械を使用しています。
歯の治療をした後に歯が痛くなったり、しみたことはありますか? 当院で使用している器械は、歯の神経にダメージを与えない為、歯を削る際体温に合わせた温度のお水をたっぷり注水しながら行っています。これにより、歯の神経が火傷をしないよう守っています。また、この注水を含めたユニット内で使用する水は、全て消毒された水が使用されるシステムになっているので、治療中の歯や歯肉は最大限、感染から守られています。治療中、歯が火傷や感染を起こさなければ、治療後に歯が痛くなったり、しみたりしません。
- 顎関節症は、顎の動きが精密に検査できる器械を
- 厳しいヨーロッパ基準(EN13060)をクリアしたクラスBオートクレーブで滅菌し、パッキングした器具を使用することで、感染のリスクを軽減し、より安全な治療を受けられる環境を整えています。
患者様のプライベートを守る個室完備
ドイツKaVo社のユニット
歯についてお悩みをお持ちの方は、初めての病院に相談するのも不安でいっぱいだと思います。
当院の診療室は、個室タイプなので、診療室内の会話や治療内容が待合室にも届かないようになっております。安心して相談から治療までお受けいただけます。
また、お一人の診療時間を充分にお取りしていますので、まずはじっくり相談していただけます。相談してからでないと、治療はスタートしませんので、お気軽にご相談ください。
顎関節症ってどんな病気?
顎関節症で多い症状は
・顎とその周囲の痛み
・口を開いたり閉じたりするときに顎から音が鳴る
・口が開きにくい、開かない
この3症状です。
~やってみよう!!セルフチェック~
この中の症状で、ひとつでも当てはまることがあれば、顎関節症である可能性が高いです。
顎関節症は様々な症状として現れるため、顎以外に症状が現れる事も多々あります。
顎関節症の多くの場合、原因はかみ合わせのバランスの悪化です。それ以外の原因に、関節の変形などがあり、その場合治りにくいですが、治りにくい顎関節症は全体の4%にすぎません。
そのため、ほとんどの場合は、かみ合わせを改善する治療によって、上記の症状の改善が見込めます。
顎関節症の治療の流れ
STEP1:問診
今までの状態や経過についてお聞きします。
STEP2:姿勢の観察
顎関節症は顎だけに症状があるとは限りません。首の張りや肩こり、腰の痛みから姿勢に影響を及ぼしますので姿勢を観察します。
STEP3:口腔内外の検査
顔や口の中を詳細に診査して原因を調べます。特にかみ合わせから生じる様々な症状をキャッチします。また、顎のゴリゴリという雑音やカックンという音を調べます。
STEP4:X線診断
歯並びや顎全体が診断できる断層写真撮影を行い、原因や治療方法を立案します。
STEP5:模型診断
歯並びやかみ合わせを診断するために顎の模型を作り、それを顎の動きを模似する精密な咬合器に付け咬合診断を行います。
STEP6:顎運動診断
顎の動きをコンピューターを使って分析し、治療前後を比較して治療効果を客観的に評価します。
STEP7:咬合調査
明らかにかみ合わせが原因であると判明した場合は、かみ合わせの調整を行います。そして顎のバランス調整を行う治療をします。
STEP8:スプリント療法
上下の歯の間に顎のリラックスを目的としたマウスピースのような装置をはめたり、顎の位置を治療するための装置をはめたりする療法です。
STEP9:薬物療法
顎の関節が痛かったり、筋肉が緊張している場合には、対症療法として薬物の投与を行い症状を軽減します。
STEP10:庭療法・ 理学療法
顎関節症には患者様にもご協力をお願いし治療に導きますので、ご家庭でもマッサージや局部の温熱療法を行い快方に導きます。
☆顎関節症の治療について
顎関節症を引き起こす原因は決して1つではありません。いくつかの要因が合わさって発症するケースがとても多いのです。
顎関節症を治すには、まず思い当たる要因を思い返して、原因を解消することが必要です。
気になる場合は、1度歯科医院でチェックしてもらいましょう。
その際は、顎関節症や咬み合わせを専門に診療している歯科医院を受診するのがよいです。
当院では、お口が開きにくい症状も、 歯のかみ合わせの治療での改善を行っています。外科処置が必要な場合はほとんどありません。