「しっかり噛めること」「若々しくいること」が健康寿命につながる理由

「入れ歯にすると、老けて見えるのは仕方がない」
「入れ歯にすると、噛みにくくなるのは仕方がない」
入れ歯にそんな風な諦めた印象をお持ちでしょうか。
歯を失ったとき、多くの方が最初に心配するのは、
「ちゃんと食事ができるだろうか」
「人前で笑えるだろうか」
「他人から入れ歯だと分かってしまわないだろうか」
ということではないでしょうか。
特に、まだ仕事や子育て、趣味、人との交流を楽しんでいる若い年代の方にとって、「入れ歯」という言葉そのものに抵抗を感じることもあるかもしれません。
しかし年代に関わらず、これから先も自分らしく食事を楽しみ、健康的に過ごしたいという思いがある方々では、義歯治療を真剣に検討する事が増えてきます。
実は、入れ歯を考えるときに大切なのは、単に「歯を入れること」だけではありません。
しっかり噛めること。
そして、
自然で若々しい口元を保つこと。
この2つは、どちらか一方だけを考えればよいものではありません。
湘南歯科医院では、義歯を「失った歯を補うためだけのもの」ではなく、これからの生活を支えるための治療として考えています。
「健康寿命」という考え方
まだまだ日々の仕事や日常生活の忙しさに追われている方にとっては、自分の「寿命」に関して考える事もあまりないかもしれません。
しかし、今の生活をイメージした時に、「あと何年健康な生活が維持できるか」をなんとなくでもイメージしておく事はとても重要です。
日本では、「平均寿命」だけではなく「健康寿命」という考え方が重要になっています。
平均寿命とは、一般的には生まれてから亡くなるまでの期間を指します。
一方、健康寿命は、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間を表す指標です。
厚生労働省が公表している2022年の健康寿命は、男性72.57歳、女性75.45歳。
平均寿命との差は、男性で約8.5年、女性で約11.6年あります。
つまり、単に「長く生きる」だけでなく、
できるだけ長く、自分らしく生活できる状態を保つこと
が大切だということです。
70代以降の方に言える事は、「あと何年健康で歯科診療所へ通える自信がありますか?」健康で、診療所へ通院できるだけの体力がある内に、是非、その先で「もし自分に介護が必要な年代になったら…」という時期の事を少し考えておいて下さい。
人生の最後の時になって、歯がない事で食べていものが食べられない、でも新しい入れ歯が作れない健康状態になってしまった…という事がない様に、長く使用できて、頻繁に作り替える必要のないドイツ式の義歯にしておく事は、人生の後半でとても大切な選択だと思います。
では、その「自分らしい生活」を支えるものの一つとして、口の機能を考えてみましょう。
噛めることは、「食べること」だけではない
歯を失うと、当然ながら食事への影響が出てきます。
例えば、
- 硬いものを避けるようになる
- 食べられるものが限られてくる
- 食事に時間がかかる
- 他の人と同じメニューの食事が食べにくくなる
- 外食を楽しみにくくなる
- 人と一緒に食事をすることが億劫になる
といった変化が起こることがあります。
もちろん、歯を失ったからといって必ず食生活が悪くなるわけではありません。
しかし、噛みにくさが続けば、食べるものや食べ方が変わる可能性があります。
そして「食べる」という行為は、単に空腹を満たすだけではありません。
好きなものを食べる。
家族と食卓を囲む。
友人と食事をする。
旅行先でその土地の料理を楽しむ。
こうしたことも、毎日の生活の質(QOL)を支える大切な要素です。
実際に、歯を失った状態や十分に機能する歯が少ない状態は、口腔関連QOLの低下と関連することが、複数の研究をまとめた報告でも示されています。
だからこそ、義歯治療では「歯が入ったかどうか」だけでなく、
その義歯で、どのように食事をし、どのように生活するのか
まで考えることが大切なのです。
「噛む」という動作は、歯だけで決まるものではありません
「噛む」というと、上下の歯をしっかり当てることだけをイメージするかもしれません。
しかし実際には、
- 歯
- 歯ぐき
- 顎の骨
- 顎関節
- 咀嚼筋
- 舌
- 頬や唇などの口腔周囲の筋肉
- 上下の歯の咬み合わせ
- 上下顎の顎骨の位置と大きさの差
- 口の中で食べ物を動かす機能
など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、
「歯がある=しっかり噛める」
とも限りません。
反対に、歯を失った場合でも、残っている歯や歯ぐき、顎の状態などをきちんと診断し、それに合わせて義歯を設計することで、より快適に食事をできる可能性があります。
義歯治療で大切なのは、単純に「歯の本数を補うこと」ではありません。
口の中全体を見て、上下の顎の骨格の大きさや位置がズレていては安定的に上下の歯で咬合力を受け止める事はできません。
どのように力を受け止め、どのように噛むのかを考えること。
これが義歯の設計につながります。
「若々しい口元」と義歯の関係
そして、もう一つ忘れてはいけないのが「見た目」です。
歯を失ったときに気になるのは、歯そのものだけではありません。
笑ったときの口元。
唇の見え方。
歯を見せたときの印象。
顔全体とのバランス。
こうした部分も、人の印象に関わります。
多くの場合、たとえ奥歯2本だけを失って何も歯を入れてなければ、
徐々に歯の噛み合わせが低くなってきます。
これは、お顔の上顔面(鼻から上の部分)と下顔面(鼻から下の部分)を比較した時に
下顔面の高さが保てずに、短くなってくる事から生じるお顔の印象の変化です。
30代・40代で歯を失った方にとって、
「まだ入れ歯をする年齢ではないと思っていた」
「できれば入れ歯をしていることを知られたくない」
「入れ歯にしたことで老けて見えるのは嫌だ」
という気持ちは、決して珍しいものではありません。
それより上の年代の方では、
「年齢より若く見られたい」
「自然に笑いたい」
「入れ歯だからといって、おしゃれや外出を諦めたくない」
という思いを持つ方が多いです。
だからこそ、義歯は「噛めればそれでいい」というものでもないと私たちは考えています。
義歯の「歯の並べ方」も、見た目を左右します
同じように歯を失っていても、完成した義歯を入れたときの印象が同じになるとは限りません。
その理由の一つが、人工歯の並べ方です。
人工歯をどの位置に、どの角度で、どのようなバランスで排列するのか。
これは単に「歯をきれいに並べる」という作業ではありません。
顔の形や唇のライン、笑ったときの表情、口の中全体のバランスなどを考えながら、自然に見える位置を考慮する必要があります。
湘南歯科医院では、院長が患者様一人ひとりの顔立ちや表情、口元のバランスを見ながら、人工歯の排列を設計しています。
目指しているのは、
「良い入れ歯ですね」という印象ではなく、「キレイな歯をしてますね」と言われる様な、その人自身の口元として自然に見えること。
そして、
健康的で、若々しく、自然な笑顔につながること。
義歯は、単に「歯が並んでいれば完成」ではありません。
その人の顔に合わせて、口元全体の調和を考えることも、義歯治療の大切な部分です。
「若々しく見える入れ歯」は、若作りではありません
ここでいう「若々しさ」は、無理に若く見せることではありません。
不自然に白すぎる歯を入れることでもありません。
大切なのは、
その人の顔立ちや表情に馴染み、健康的に見える口元をつくること。
例えば、歯の大きさや形、排列、唇の位置と歯の見える量とのバランスなどによって、口元の印象は変わります。
だからこそ、「誰にでも同じ歯を同じように並べる」のではなく、一人ひとりに合わせた設計が必要になります。
「入れ歯=高齢者のもの」
「入れ歯=老けて見えるもの」
というイメージを払拭するような義歯治療を湘南歯科医院では目指しています。
歯を失った年齢に関係なく、
自分らしい自然な口元で、食事や会話、笑顔を楽しむ。
そのための選択肢として義歯を考えてみることが大切だと考えています。
「噛めること」と「見た目」は、別々に考えるものではありません
義歯治療では、
「噛めるようになれば、見た目は仕方がない」
「きれいに見えれば、多少噛みにくくても仕方がない」
という二者択一で考えてしまうことがあります。
しかし、本来はそうである必要はありません。
もちろん、すべての患者様で同じ結果が得られるわけではありません。
残っている歯の状態、歯ぐきや顎の骨の状態、失った歯の本数や位置、咬み合わせなどによって、適した治療方法は異なります。
そのため、
「見た目だけ」でもなく、
「噛むことだけ」でもなく、
口の機能と口元の美しさを一緒に考える。
これが、私たちが義歯治療で大切にしている考え方です。
湘南歯科医院が「テレスコープ義歯」にこだわる理由
湘南歯科医院では、ドイツ式のテレスコープ義歯を中心とした自費の義歯治療を行っています。
テレスコープ義歯は、残っている歯に内冠を装着し、その上に外冠を組み合わせる「二重冠構造」を利用した義歯です。
一般的なクラスプ式の部分入れ歯とは、義歯の支え方・固定の考え方が全く異なります。
ただし、
「テレスコープ義歯なら誰にとっても最高の義歯になる」
という意味ではありません。
残っている歯の状態や歯周組織、咬み合わせ、欠損の範囲などを診断したうえで、その患者様に適した設計を考える必要があります。
テレスコープ義歯については、長期的な使用成績を検討した研究もありますが、予後には残っている歯の状態や支台歯の本数、メインテナンスなど、さまざまな要因が関係します。
だからこそ、湘南歯科医院では「テレスコープ義歯を作ること」そのものを目的にするのではなく、
患者様の口の状態に合わせて、どのような義歯を設計するか
を大切にしています。
これからの義歯は、「我慢して使うもの」ではなく「生活をより豊かに、より楽しむためのもの」へ
歯を失ったとき、
「仕方がないから入れ歯にする」
と考える必要はありません。
もちろん、歯を失うことは大きな変化です。
しかし、義歯治療によって、
- 食事を楽しむ
- 人前で自然に笑う
- 会話を楽しむ
- 外食や旅行を楽しむ
- 自分らしい口元を保つ
- 何か新しい事を始めてみようと思えてきた
といった、これからの生活を支えることができます。
そして、義歯を選ぶときには、費用の心配も大きな問題だと思います。
でも、「将来の自分がより健康で、もっと活動的に」なれる様に!
という視点も大事に検討して頂きたいと考えています。
義歯を始める年代は人それぞれまったく異なります。「今の自分」に合った義歯治療を
歯を失う理由は、年齢だけではありません。
むし歯や歯周病、外傷、先天的な要因など、さまざまな理由があります。
「入れ歯は高齢になってから考えるもの」と決めつける必要はありません。
30代・40代で歯を失った方には、その年代だからこその悩みがあります。
仕事、人との付き合い、恋愛、子育て、外での会食、旅行。
50代・60代になれば、これからの健康や生活の質を大切にしたいという思いが強くなる方もいます。
年齢が違えば、義歯に求めるものも違います。
だからこそ、
いつでも、どこでも外出することが億劫にならないお口の状態を保てる事を考えた治療を選ぶことが大切です。
まとめ|「噛めること」と「若々しい口元」は、これからの生活のために
義歯治療で大切なのは、単に失った歯を補うことではありません。
しっかり噛めること。
自然に笑顔になれること。
人との食事や会話を楽しめること。
そして、
これからも自分らしい生活を続けられること。
歯を失ったことで、「もう仕方がない」と諦めてしまう必要はありません。
一方で、すべての方に同じ義歯が適しているわけでもありません。
残っている歯や歯ぐき、顎の状態、咬み合わせ、失った歯の範囲などを確認し、その方に合った治療方法を検討することが重要です。
湘南歯科医院では、ドイツ式のテレスコープ義歯をはじめとする自費義歯治療において、噛む機能だけでなく、人工歯の排列や口元の自然さまで含めた義歯設計を大切にしています。
「入れ歯だから仕方がない」と諦めるのではなく、
将来の自分へ投資して、「もっと自由な自分」になりませんか?
義歯の位置付けをその様に考えてみてはいかがでしょうか。
次回は、「痛み・違和感」について
せっかく作った入れ歯なのに、
「食事をすると歯ぐきが痛い」
「入れ歯が動く」
「噛むと痛い」
「話しにくい」
「使っているうちに慣れると思って我慢している」
そんな経験はありませんか?
入れ歯の痛みや違和感には、さまざまな原因があります。
次回は、
「まだ、痛い入れ歯を我慢して使っていませんか?」
をテーマに、入れ歯の「痛み」「動き」「噛みにくさ」と、義歯の設計・咬み合わせとの関係について詳しくお話しします。
湘南歯科医院について
湘南歯科医院は、神奈川県茅ヶ崎市出口町にある歯科医院です。
ドイツ式のテレスコープ義歯を中心に、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた自費義歯治療を行っています。
義歯の安定性や咬み合わせだけでなく、院長自身が人工歯の排列を行い、顔立ち・表情・口元全体とのバランスを考えた、自然で健康的な口元を目指しています。
「入れ歯になったら、もう仕方がない」
そう考える前に、現在のお口の状態について、一度ご相談ください。
