Gathologyとは、1920年代にアメリカで提唱された顎の動きや機能に関する学問で、かみ合わせ(咬合)の大元の理論です。スラビチェック教授は、アメリカでナソロジーを学んだ後、オーストリアのウィーン大学やドナウ大学で教鞭をとられていた先生です。

彼の功績は数々あり、Seqential Occlusionと言う咬合理論の提唱者で、矯正分野では、スラビチェックアナライシスと言う矯正治療の診断などに利用する骨格分析方法の提唱者です。通常、日本で行われている矯正治療では、歯を抜歯して小さい顎のまま治療を終えてしまいますが、彼の治療方法では抜歯をせずに顎を広げます。

また、オープンバイト(開咬)と言って上顎の前歯と下顎の前歯が噛み合っていない咬合の人の治療の場合、日本で主流なのは、矯正治療では歯はかみ合わないまま、歯並びだけをきれいに並べます。

その後、顎の骨を手術で切って、上下顎の骨の位置を変えることで上下顎の歯と歯がかみ合うように合わせます。

しかし、彼のセオリーでは、顎の骨の手術はせずに、歯を動かすことで(矯正治療を行うことで)上下顎の歯がかみ合うように治します。これは、通常の矯正治療が歯を横軸方向にしか動かせない2次元的な治療に対し、彼のセオリーを使うと縦軸、横軸の両方向へ歯を動かせるので、治療で治せる範囲が3次元的方向に動かすことができるからです。そして、残念ながら日本の歯科では、”歯1本1本の位置や、働きが顎関節の動きに影響を与える”という認識は少ないです。あくまでも、歯の1本だけを治すという考えです。

スラビチェック先生の様に、歯の治療をする時に全身の骨格や筋肉の歪みから全てをチェックして、治療する時には歯だけを診るのではなく、その先の顎関節がバランス良く機能する様に治療する、”歯の治療は顎口腔系の機能改善である”という考えは、とても貴重で、素晴らしい考え方だと思います。