毎年7月後半にVieSID:包括的歯科医療のスタディグループが主催する咬合をメインテーマとする学会が、ウィーン大学で丸5日間行われます。

去年に引き続き、今年もこの学会に参加してきました。咬合(かみ合わせ)の分野を詳しく勉強できる機会はとても少ないので、とても貴重な学会だと思います。37カ国、200人以上が参加したそうです。

今回私が一番印象に残った講演は、顎関節を骨折した子供の治療についてです。奥歯の高さをコントロールする事で、顎関節の骨折部位の骨の再生を促すという内容でした。これは顎関節の機能が、歯のかみ合わせとどの様に関係しているかが分かっていなければ出来ない治療の発想で、素晴らしい発想の治療をしているなと思いました。実際に、私もこのような治療を以前実際に見たことがありますが、確かに骨折部位を手術することなく、顎の痛みや口の機能的な動きが回復しました。これは、当院で行っている顎関節症の治療と同じ発想です。歯の機能を使って、顎関節の動きをコントロールします。顎関節症で口が開かなくなったり、痛みが出たりと言う症状が出る場合がありますが、大部分の場合、咬合のコントロールをすることによって、顎関節症の症状を緩和する事が可能だと言う事です。咬合を考慮しない顎関節症の治療方法では、顎関節での関節の状態や軟骨(関節円板)の形態の変形や位置異常に注目して、患者様ご自身のセルフマッサージや痛み止めなどの投薬やヒアルロン酸注射が治療の主体を占める今の歯科界の現状ですが、こう言う治療以外にも治療方法はあると言うことの証明ですね。